細るバイク需要。国内40万台割れの衝撃
細るバイク需要。国内40万台割れの衝撃
ニュースイッチ 4月18日(月)8時20分配信
細るバイク需要。国内40万台割れの衝撃
99年に100万台を割り、最近は40万台強をうろついていた
日本のライダーのこころをつかめるか
2016年度の国内バイク市場がついに40万台割れ―。3月半ばに日本自動車工業会(自工会)が発表した見通しに、国内各社は「厳しい数字」と一様に苦い表情を浮かべる。大型バイクの復調だけが明るい兆しだ。市場回復を目指し、大型車に乗るバイク好きを増やしながら、いかに小排気量帯でライダーのすそ野を広げるか。各社が知恵を絞る。
16年度の内需見通し39万2000台(前期比2・7%減)に、カワサキモータースジャパン(兵庫県明石市)の清水泰博取締役は「現状から予想されるままの数字」と語る。記録の残る70年から現在まで40万台を下回ったことは一度もない。ピーク時の320万台超から落ちに落ちて、99年に100万台を割り、最近は40万台強をうろついていた。40万台割れは衝撃だが、避けられない数字だった。
<大型で戦略車、40―50代の回帰に期待>
厳しい需要の中で、まず各社は排気量125ccや250cc以上の大型クラスに戦略モデルを投入し、バイク好きの取り込みを図る。というのも、50cc以下の万単位の減少は補えないながら、51ccより上のクラスは合計で年数千台増加しているからだ。
各社はスポーツバイク入門機にあたる250ccクラスを中心に商品力を高めており、ヤマハ発動機の「YZF―R25」や川崎重工業の「ニンジャ250」などの人気が高い。ホンダは歴史のある大型オフロードバイク「アフリカツイン」を復活。スズキも「グローバル機種『SV650』を国内投入し、品ぞろえを拡充したい」(同社)という。
潜在ライダーとされるバイクの運転免許保有者1000万人のうち、特に40代後半―50代前半はバイク回帰の期待が大きい。免許保有者が多く、子育ても落ち着いてくる。また、大型免許の取得が難しくなかった55歳以上に対し、制度の変化で同世代の試験は難しく、バイクへの思い入れの強い人が多い。
カワサキの清水取締役は「最近のオートバイは格好良く、環境性能もいい。見せて、若いころの気持ちを呼びさましたい」と話す。同社は独自に大阪・梅田駅前で誰でも入れる展示会を開き、潜在ライダーの目に触れる機会を増やしている。ホンダは趣味性の高い大型バイクの販売店網を強化する方針で、要求レベルの高いライダーの満足度を高める。
<スポーツバイク、若い世代にささる>
ヤマハ発動機はここ2―3年に投入した新車がヒットし、市場の動向以上にスポーツバイクが好調だ。15年はMTシリーズが401cc以上の車種別販売で1―3位を独占する快挙を達成した。ヤマハ発動機販売(東京都大田区)の井下茂一営業統括部MC営業企画部長は「YZF―R25などで若い世代も獲得している」と語る。
国内各社は世界で上位を争う。だからこそ、お膝元の国内市場をこれ以上縮小させられない。海外の売れ筋モデルも活用しながら、世界一うるさい日本のライダーの心をつかむ必要がある。
4輪車付帯免許の規制緩和を
<原付きスクーター市場よ再び>
バイクの国内需要が40万台目前となるまで縮小した主な要因は、排気量50ccの原付きスクーターの減少にある。通学や通勤、買い物など生活に必要な移動向けのコミューターと呼ばれる種類だ。高校生の通学利用が減った上、高齢化で免許返納者が増えてきた。
需要縮小に対し、各社が手をこまねいていたわけではない。ホンダは2014年に50cc級で久しぶりの新モデル「ダンク」を発売し、15年には20―30代女性向けモデル「ジョルノ」を刷新。ヤマハ発動機も「他社にない若い人が好むカラーリングにこだわっている」(ヤマハ発動機販売の井下茂一営業統括部MC営業企画部長)と若年層に訴求している。
規制が市場活性化を阻んでいるという見方もある。ホンダモーターサイクルジャパン(東京都北区)の加藤千明社長は、「昔よりバイクもインフラもずっと良くなったのに規制は変わっていない」と疑問を呈する。例えば、車との混合交通で制限速度が時速30キロメートルの50ccバイクが走るのは危険もある。
また世界的には4輪車付帯免許で50ccバイクに乗る日本は珍しく、欧州やアジアでは付帯免許で125ccまで乗れる。「数年無事故・無違反なら付帯範囲を広げることなども検討してほしい」(加藤社長)。125ccになれば機種の幅が広がり、裾野拡大が期待できる。
バイク業界には、高校生に対する「免許を取らせない、買わせない、運転させない」の三ない運動にあまり対抗せず、若者のバイク離れを加速させた苦い経験がある。バイク離れは交通ルールを学ぶ機会も奪った。
かつて若者は自転車の次に50ccスクーター、オートバイ、4輪車へとステップアップしたため、50ccの減少は車離れにも影響する。最近、経営トップらが積極的に声をあげるのも、4輪の入り口がなくなることへの危機感のあらわれだ。
ヤマハ発動機は、コミューター利用と同時に週末はツーリングもできる125ccクラスを入門機の一つに位置づける。新たに提案中の前2輪・後1輪の「トリシティ」も125ccだ。「125ccはバイク免許を取るアクションが必要だからこそ将来の大型機ユーザーとなる可能性が高い」(井下ヤマハ発動機販売部長)。
ヤマハ発は学祭などの大学関連イベントで、大学生が企画したバイクのプロモーションを展開した。「学生に気付かされることは多い。今は売るだけではダメだ」(同)。各社はバイクに乗らない若者への訴求に力を入れ、ホンダは高校の交通教育に協力する。
国内市場が盛り返すためには、モノを良くするだけでなく、関係機関やユーザーと協力し、バイクを楽しむための環境整備やコトづくりが求められている。
ニュースイッチ 4月18日(月)8時20分配信
細るバイク需要。国内40万台割れの衝撃
99年に100万台を割り、最近は40万台強をうろついていた
日本のライダーのこころをつかめるか
2016年度の国内バイク市場がついに40万台割れ―。3月半ばに日本自動車工業会(自工会)が発表した見通しに、国内各社は「厳しい数字」と一様に苦い表情を浮かべる。大型バイクの復調だけが明るい兆しだ。市場回復を目指し、大型車に乗るバイク好きを増やしながら、いかに小排気量帯でライダーのすそ野を広げるか。各社が知恵を絞る。
16年度の内需見通し39万2000台(前期比2・7%減)に、カワサキモータースジャパン(兵庫県明石市)の清水泰博取締役は「現状から予想されるままの数字」と語る。記録の残る70年から現在まで40万台を下回ったことは一度もない。ピーク時の320万台超から落ちに落ちて、99年に100万台を割り、最近は40万台強をうろついていた。40万台割れは衝撃だが、避けられない数字だった。
<大型で戦略車、40―50代の回帰に期待>
厳しい需要の中で、まず各社は排気量125ccや250cc以上の大型クラスに戦略モデルを投入し、バイク好きの取り込みを図る。というのも、50cc以下の万単位の減少は補えないながら、51ccより上のクラスは合計で年数千台増加しているからだ。
各社はスポーツバイク入門機にあたる250ccクラスを中心に商品力を高めており、ヤマハ発動機の「YZF―R25」や川崎重工業の「ニンジャ250」などの人気が高い。ホンダは歴史のある大型オフロードバイク「アフリカツイン」を復活。スズキも「グローバル機種『SV650』を国内投入し、品ぞろえを拡充したい」(同社)という。
潜在ライダーとされるバイクの運転免許保有者1000万人のうち、特に40代後半―50代前半はバイク回帰の期待が大きい。免許保有者が多く、子育ても落ち着いてくる。また、大型免許の取得が難しくなかった55歳以上に対し、制度の変化で同世代の試験は難しく、バイクへの思い入れの強い人が多い。
カワサキの清水取締役は「最近のオートバイは格好良く、環境性能もいい。見せて、若いころの気持ちを呼びさましたい」と話す。同社は独自に大阪・梅田駅前で誰でも入れる展示会を開き、潜在ライダーの目に触れる機会を増やしている。ホンダは趣味性の高い大型バイクの販売店網を強化する方針で、要求レベルの高いライダーの満足度を高める。
<スポーツバイク、若い世代にささる>
ヤマハ発動機はここ2―3年に投入した新車がヒットし、市場の動向以上にスポーツバイクが好調だ。15年はMTシリーズが401cc以上の車種別販売で1―3位を独占する快挙を達成した。ヤマハ発動機販売(東京都大田区)の井下茂一営業統括部MC営業企画部長は「YZF―R25などで若い世代も獲得している」と語る。
国内各社は世界で上位を争う。だからこそ、お膝元の国内市場をこれ以上縮小させられない。海外の売れ筋モデルも活用しながら、世界一うるさい日本のライダーの心をつかむ必要がある。
4輪車付帯免許の規制緩和を
<原付きスクーター市場よ再び>
バイクの国内需要が40万台目前となるまで縮小した主な要因は、排気量50ccの原付きスクーターの減少にある。通学や通勤、買い物など生活に必要な移動向けのコミューターと呼ばれる種類だ。高校生の通学利用が減った上、高齢化で免許返納者が増えてきた。
需要縮小に対し、各社が手をこまねいていたわけではない。ホンダは2014年に50cc級で久しぶりの新モデル「ダンク」を発売し、15年には20―30代女性向けモデル「ジョルノ」を刷新。ヤマハ発動機も「他社にない若い人が好むカラーリングにこだわっている」(ヤマハ発動機販売の井下茂一営業統括部MC営業企画部長)と若年層に訴求している。
規制が市場活性化を阻んでいるという見方もある。ホンダモーターサイクルジャパン(東京都北区)の加藤千明社長は、「昔よりバイクもインフラもずっと良くなったのに規制は変わっていない」と疑問を呈する。例えば、車との混合交通で制限速度が時速30キロメートルの50ccバイクが走るのは危険もある。
また世界的には4輪車付帯免許で50ccバイクに乗る日本は珍しく、欧州やアジアでは付帯免許で125ccまで乗れる。「数年無事故・無違反なら付帯範囲を広げることなども検討してほしい」(加藤社長)。125ccになれば機種の幅が広がり、裾野拡大が期待できる。
バイク業界には、高校生に対する「免許を取らせない、買わせない、運転させない」の三ない運動にあまり対抗せず、若者のバイク離れを加速させた苦い経験がある。バイク離れは交通ルールを学ぶ機会も奪った。
かつて若者は自転車の次に50ccスクーター、オートバイ、4輪車へとステップアップしたため、50ccの減少は車離れにも影響する。最近、経営トップらが積極的に声をあげるのも、4輪の入り口がなくなることへの危機感のあらわれだ。
ヤマハ発動機は、コミューター利用と同時に週末はツーリングもできる125ccクラスを入門機の一つに位置づける。新たに提案中の前2輪・後1輪の「トリシティ」も125ccだ。「125ccはバイク免許を取るアクションが必要だからこそ将来の大型機ユーザーとなる可能性が高い」(井下ヤマハ発動機販売部長)。
ヤマハ発は学祭などの大学関連イベントで、大学生が企画したバイクのプロモーションを展開した。「学生に気付かされることは多い。今は売るだけではダメだ」(同)。各社はバイクに乗らない若者への訴求に力を入れ、ホンダは高校の交通教育に協力する。
国内市場が盛り返すためには、モノを良くするだけでなく、関係機関やユーザーと協力し、バイクを楽しむための環境整備やコトづくりが求められている。
- 関連記事
-
- スカイドライブ125のフロントタイヤ交換 2016/11/29
- アジアの製品は駄目、、スズキスカイドライブ125 2016/10/21
- ドジョウのような、長いスクーター 2016/09/04
- 先程から、スズキオフィシャルデーラー<<<<スズキワールドのボッタクリ詐欺問題>>> 2016/06/22
- 糞二ホンブランド、、、、、、モーターサイクルやクルマ、、、、 2016/06/22
- 糞スズキ、、、7倍もの高額、、、、アジアのスズキ 2016/06/22
- スズキ、、、、でたーーーー不良!!!! 2016/06/22
- 細るバイク需要。国内40万台割れの衝撃 2016/04/18
- 何年か前に、、地元の輸入販売店で隼新車が売られていた。 2016/03/10
- スズキスカイドライブをデーラーに持って行った、、、フィリピン 2015/10/28
- スズキスカイドライブのアイドリングが不安定、、、フィリピン 2015/10/26
- Truck Trial Compilation 2014 the long video\\Tatra 815 8x8-DAF 8X8-Mercedes Benz 2015/07/02
- Ghost Rider - Last Ride 2015/07/02
- Test drive: The new Suzuki Hayabusa 2015/07/01
- 60 000 HP "Shockwave" FIRST JET RACE EVER in MI! 2015/06/28
スポンサーサイト