日本人増加でタイのブロガー業界も競争が激化。内容がより細分化
- 2017/04/02
- 18:31
日本人増加でタイのブロガー業界も競争が激化。内容がより細分化
HARBOR BUSINESS Online 4/2(日) 16:20配信
日本人増加でタイのブロガー業界も競争が激化。内容がより細分化
屋台や食堂の魅力はおいしさのほか、店主や客らの素のタイ人と交流できるところにもある
東南アジアの人気渡航先タイは、外務省が発表している海外在留邦人数が67424人になっている(2015年10月1日時点の集計数)。これはトップの米国から中国、オーストラリア、英国に続く第5位の人数で、国土面積から考えれば日本人密度はトップクラスと言える。
それほど日本人が多いタイでは自らが持つ情報を発信する人が増え、今やタイ人が知らないことまでと言っていいほど細かに調べ上げ、ネット上で公開している。
2000年前後はバンコクあるいはタイのローカル情報を発信している人はほとんどいなかった。ブロガーはすでにいたが、掲載ジャンルは「タイ」。広く浅くというものばかり。タイに関係する雑多な情報がひとつのウェブサイト内に羅列されているのが当たり前だった。
しかし、在住日本人や観光客が増え、ネット検索が当たり前になってくるとマクロな視点ではなく、ミクロに迫っていく内容でないと興味を持たれなくなってきた。そのため、ブロガーは「タイ好き」で括った多数の人に向かってではなく、次の段階以上にいる人をターゲットにするようになった。雑貨を買いたい人にだけタイ雑貨の情報を教えるように、読者ターゲットをあらかじめ絞って書かないと読んでもらえない。このカテゴリーならこの人に聞けばいい、といった印象を持たせることが今のブロガーの最初の目標になる。
バンコク在住ブロガーも在住者増加に合わせて増え、各ジャンルにおいても細分化が激しい。多くの人が興味を持つ飲食関係は特にその傾向が強い。これまでは飲食というジャンルであればタイ料理や和食、イタリアンなどすべてを織り交ぜた記事が普通だった。しかし、今ではそのやり方だと定期的に訪れてくれる読者がつきにくく、カテゴリーとしてレストランや食堂、屋台にまで細分化され始めている。
目のつけどころを他者とは変えていかないとファンを得ることはできないタイ・ブログ業界。今、バンコクを中心に屋台や食堂に特化して飲食店を紹介して人気になっている「激旨! タイ食堂」を運営する西尾康晴さんに話を伺った。
◆現れては消えていくタイ・ブロガー
「雑誌編集をしていた際に連載ライターへ情報提供するために屋台に関することをネットで検索していました。私も情報をそんなに持ち合わせていなかったし、ネットでは屋台に関することがほとんどなかったんです。それで、もしかしたらこれをやったら読者を得られるのではないかと始めてみました」
西尾さんがこの人気サイトを始めたのは2015年6月。屋台はタイ料理を語るに外せない形態ではあるが、旅行者にとっては興味があっても衛生面でなかなか踏み込めない。英語も通じないので、注文の方法や料理そのものがどんなものかさえわからない。それがこの「激旨! タイ食堂」を見れば日本語で解説され、店主の出自なども丁寧に取材されていて、屋台を疑似体験できる。定期的にオフ会も開催され、西尾さんが厳選した店、かつ衛生面でも初心者に問題のないところで実体験もできる。
実はバンコクの飲食関係ブログでは日本人の間ですでに有名なブログがある。それは、日本人女性サーヤさんが書くブログだ。店名で検索すると大概この女性のブログが上に来るし、マップや電話番号なども掲載されていて、信頼性が高い。また、本人は本名も顔出しも一切していないので、そのミステリアスな部分も読者を惹きつける。サーヤさんのブログはバンコク飲食店情報提供者としての地位を完璧に確立している。
このブログに勝てるサイトはなかなか現れない。同じようにやったのでは2004年から始まっているサーヤさんの年月という蓄積から検索結果が上位に来ることはない。そうなると、西尾さんのように一点集中型で情報を届けて読者を獲得する手法にしていくしかないのである。
「数年前まではたくさんの有名ブロガーがいましたが、だいぶ消えていきましたね。ただ情報を掲載するだけでなく、読者がなにを求めているかを分析し、SEO対策などネット・リテラシーに多少でも長けていないと消えていきます。そういう意味では私も危機感をいつも持っています」(西尾康晴さん)
◆駐在員妻のブログに注目!?
良質な記事と検索上位に上がるようなSEO対策、読者の欲求をしっかりと捉えるということが人気サイトを運営するコツだというが、簡単なようで難しい。しかも、バンコクという狭い地域。誰も手をつけていないジャンルを開拓するのは困難だ。
バンコクには日本語フリーペーパーが多数あるし、在住者あるいは観光リピーターが独自の目線でたくさんの事柄を記事にしている。筆者も在住15年。タイ語もかなりできるのでタイの奥へと足を運ぶこともあるが、「日本人の客は初めて」と言われることは100軒に1軒もないほどだ。
ブログの細分化の要因には、探究心の強い日本人の自己顕示欲の表れもあるのかもしれない。
そんな細分化されて、なかなか新たにブロガーとして名をあげるのが難しいタイにおいて、前出の西尾康晴さんがある人物像がこれからブロガーとして台頭すると見ている。
「それは日系企業駐在員の奥様方です」
滞在ビザの関係もあって企業駐在員と帯同してきた家族はタイで働くのは困難だ。そもそも企業駐在員はそれなりに給料も高く手当もあり、主婦は悠々自適で時間がたっぷりある人が多い。しかも、タイ語学校に通ってタイ語を習得する人も少なくない。雑貨や飲食店なども家族や友人らと行き尽くし、その先にある世界を求め始めて、それをブログに書き留める。雑貨、飲食、文化。様々なジャンルでかなり突っ込んだものを書くようになっている。
「主婦の方で唸らせるようなものを書いている人がすでにいますね」
筆者もバンコク郊外のタイ製品展示即売会を見に行った際、日本人バイヤーは予想していたが、最も多かったのは日本人女性だった。雰囲気からして駐在員の奥様たちである。彼女たちは特定のブランドの展示場に群がってはいたが、中にはどう見ても転売目的で大量購入している人もいた。雑貨店と特約している女性もいるのかもしれないが、全員が全員、納入先を確保しているとも思えない。おそらくネットで販売するのであろう。それほど日本人女性のパワーはすごい。
そんなバンコク専業主婦たちの底力が今後、タイ・ブログ業界を席巻するのかもしれな
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM)>
HARBOR BUSINESS Online 4/2(日) 16:20配信
日本人増加でタイのブロガー業界も競争が激化。内容がより細分化
屋台や食堂の魅力はおいしさのほか、店主や客らの素のタイ人と交流できるところにもある
東南アジアの人気渡航先タイは、外務省が発表している海外在留邦人数が67424人になっている(2015年10月1日時点の集計数)。これはトップの米国から中国、オーストラリア、英国に続く第5位の人数で、国土面積から考えれば日本人密度はトップクラスと言える。
それほど日本人が多いタイでは自らが持つ情報を発信する人が増え、今やタイ人が知らないことまでと言っていいほど細かに調べ上げ、ネット上で公開している。
2000年前後はバンコクあるいはタイのローカル情報を発信している人はほとんどいなかった。ブロガーはすでにいたが、掲載ジャンルは「タイ」。広く浅くというものばかり。タイに関係する雑多な情報がひとつのウェブサイト内に羅列されているのが当たり前だった。
しかし、在住日本人や観光客が増え、ネット検索が当たり前になってくるとマクロな視点ではなく、ミクロに迫っていく内容でないと興味を持たれなくなってきた。そのため、ブロガーは「タイ好き」で括った多数の人に向かってではなく、次の段階以上にいる人をターゲットにするようになった。雑貨を買いたい人にだけタイ雑貨の情報を教えるように、読者ターゲットをあらかじめ絞って書かないと読んでもらえない。このカテゴリーならこの人に聞けばいい、といった印象を持たせることが今のブロガーの最初の目標になる。
バンコク在住ブロガーも在住者増加に合わせて増え、各ジャンルにおいても細分化が激しい。多くの人が興味を持つ飲食関係は特にその傾向が強い。これまでは飲食というジャンルであればタイ料理や和食、イタリアンなどすべてを織り交ぜた記事が普通だった。しかし、今ではそのやり方だと定期的に訪れてくれる読者がつきにくく、カテゴリーとしてレストランや食堂、屋台にまで細分化され始めている。
目のつけどころを他者とは変えていかないとファンを得ることはできないタイ・ブログ業界。今、バンコクを中心に屋台や食堂に特化して飲食店を紹介して人気になっている「激旨! タイ食堂」を運営する西尾康晴さんに話を伺った。
◆現れては消えていくタイ・ブロガー
「雑誌編集をしていた際に連載ライターへ情報提供するために屋台に関することをネットで検索していました。私も情報をそんなに持ち合わせていなかったし、ネットでは屋台に関することがほとんどなかったんです。それで、もしかしたらこれをやったら読者を得られるのではないかと始めてみました」
西尾さんがこの人気サイトを始めたのは2015年6月。屋台はタイ料理を語るに外せない形態ではあるが、旅行者にとっては興味があっても衛生面でなかなか踏み込めない。英語も通じないので、注文の方法や料理そのものがどんなものかさえわからない。それがこの「激旨! タイ食堂」を見れば日本語で解説され、店主の出自なども丁寧に取材されていて、屋台を疑似体験できる。定期的にオフ会も開催され、西尾さんが厳選した店、かつ衛生面でも初心者に問題のないところで実体験もできる。
実はバンコクの飲食関係ブログでは日本人の間ですでに有名なブログがある。それは、日本人女性サーヤさんが書くブログだ。店名で検索すると大概この女性のブログが上に来るし、マップや電話番号なども掲載されていて、信頼性が高い。また、本人は本名も顔出しも一切していないので、そのミステリアスな部分も読者を惹きつける。サーヤさんのブログはバンコク飲食店情報提供者としての地位を完璧に確立している。
このブログに勝てるサイトはなかなか現れない。同じようにやったのでは2004年から始まっているサーヤさんの年月という蓄積から検索結果が上位に来ることはない。そうなると、西尾さんのように一点集中型で情報を届けて読者を獲得する手法にしていくしかないのである。
「数年前まではたくさんの有名ブロガーがいましたが、だいぶ消えていきましたね。ただ情報を掲載するだけでなく、読者がなにを求めているかを分析し、SEO対策などネット・リテラシーに多少でも長けていないと消えていきます。そういう意味では私も危機感をいつも持っています」(西尾康晴さん)
◆駐在員妻のブログに注目!?
良質な記事と検索上位に上がるようなSEO対策、読者の欲求をしっかりと捉えるということが人気サイトを運営するコツだというが、簡単なようで難しい。しかも、バンコクという狭い地域。誰も手をつけていないジャンルを開拓するのは困難だ。
バンコクには日本語フリーペーパーが多数あるし、在住者あるいは観光リピーターが独自の目線でたくさんの事柄を記事にしている。筆者も在住15年。タイ語もかなりできるのでタイの奥へと足を運ぶこともあるが、「日本人の客は初めて」と言われることは100軒に1軒もないほどだ。
ブログの細分化の要因には、探究心の強い日本人の自己顕示欲の表れもあるのかもしれない。
そんな細分化されて、なかなか新たにブロガーとして名をあげるのが難しいタイにおいて、前出の西尾康晴さんがある人物像がこれからブロガーとして台頭すると見ている。
「それは日系企業駐在員の奥様方です」
滞在ビザの関係もあって企業駐在員と帯同してきた家族はタイで働くのは困難だ。そもそも企業駐在員はそれなりに給料も高く手当もあり、主婦は悠々自適で時間がたっぷりある人が多い。しかも、タイ語学校に通ってタイ語を習得する人も少なくない。雑貨や飲食店なども家族や友人らと行き尽くし、その先にある世界を求め始めて、それをブログに書き留める。雑貨、飲食、文化。様々なジャンルでかなり突っ込んだものを書くようになっている。
「主婦の方で唸らせるようなものを書いている人がすでにいますね」
筆者もバンコク郊外のタイ製品展示即売会を見に行った際、日本人バイヤーは予想していたが、最も多かったのは日本人女性だった。雰囲気からして駐在員の奥様たちである。彼女たちは特定のブランドの展示場に群がってはいたが、中にはどう見ても転売目的で大量購入している人もいた。雑貨店と特約している女性もいるのかもしれないが、全員が全員、納入先を確保しているとも思えない。おそらくネットで販売するのであろう。それほど日本人女性のパワーはすごい。
そんなバンコク専業主婦たちの底力が今後、タイ・ブログ業界を席巻するのかもしれな
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM)>
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